あしながの職員さんに訊いた!トビタテ留学体験談 前編

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こんにちは!新年度が始まりしばらく経ちますが新しい生活には慣れてきたでしょうか。今回はトビタテという留学プログラムで7期生としてボスニア・ヘルツェゴビナに留学していたあしなが育英会職員の山口さんに当時の体験についてインタビューしました。

留学体験談

留学したきっかけは?

私はトビタテの留学が初めてというわけではなかったので、前回の留学で出来なかったことを実現しに行くのが目的の一つでした。留学のテーマが「サッカーと民族和解」で、スポーツないしサッカーを通して民族和解に取り組むというのが大きなテーマでした。一回目の留学はドイツへの語学留学でしたが、そのときは自分で考え抜いて何かをこなすといったことが出来ず不完全燃焼で終わってしまいました。まだやり残したことがあると思いながら過ごしていて、やはりスポーツを通じた国際協力に携わりたいなと考えていたとき、トビタテのポスターを見つけたのが留学のきっかけです。

なぜ留学先をボスニア・ヘルツェゴビナに?

正直、国にこだわっていた訳では無く、やりたいことを実現しようとした結果がボスニア・ヘルツェゴビナでした。留学の目的はスポーツを通じた国際協力の現場に行くことだったのですが、現実的に行って何かできる場所と言うことでなにかつながる糸口があるところにしようと考えていました。それで調べていると、ボスニア・ヘルツェゴビナのプロジェクトにJICAや外務省が関わっていて日本の団体もつながっていると知り、相談したところそこでインターンができるということになりここに決めました。加えて、スポーツを通じた国際協力という点で、スポーツが本当に良い意味で生かされている現場を見たいと言う思いがあったのですが、このプロジェクトは周りからの評価が高く、このことも決め手になりました。

トビタテなら思いを実現できると思った理由は?

トビタテのプログラムで斬新だと思ったのが、テーマが何でもよく、お金は必要な分出すというところでした。学業にこだわらずインターンやボランティアでも何でもよい、しかもその組織も決められてなくて企業でもNGOでもよい。こういった自由度の高さが自分のやりたいことが全部実現できそうだという感じでした。

採用のため留学計画で気をつけた点は?

留学計画を立てるときは自分の話の筋が通っているかということを一番気をつけていました。原体験などの肝となる思いの部分と、留学先で取り組むこと、そしてその先に目指すなりたい像、これらが一つのストーリーとしてつながっているかということを意識していました。

採用時の面接で訊かれたことは?

自己紹介、留学計画と自分の活動や今までにしてきたこと、なんでその国でなければだめなのか、なぜ日本では出来ないのか、なぜボスニア・ヘルツェゴビナに行かなくてなならないのか、そこで得た経験をどんなことに活かしたいのか、どのような人材なりたいのか、といったあたりでしょうか。面接時間は20分しかないのですが、私からどんどん話してしまったこともあって質問も少なくあっという間に終わりました。

「自分の活動」としてどんなことを取り上げた?

留学に関係することを挙げましたが、留学テーマがスポーツと国際協力でしたので、スポーツについては私が小さい頃からサッカーをやっていたので、競技者としての目線というところと、それを超えてスポーツによる社会貢献をしようと思ったきっかけが、ドイツへの留学でした。当時ドイツは難民の流入が多かったので、ボランティアとしてサッカーを通じて難民と交流したり支援を行うプログラムあって、言葉が通じなくてもスポーツはつながれるということを実感しました。また、帰国後JICAの広報部で学生リポーターをやっていたのですが、そこで地方全国やブラジルなどにも行って、そこでスポーツが関係しない国際協力というものを知ることが出来ました。改めてそこでスポーツだけだったら分からなかっただろうスポーツの良さを知れて、最終的にはスポーツというものに原点回帰してきたというような経験があって、このことを話しました。その結果かなり話が長くなりました。

留学中大きなトラブルはあった?

正直大きなトラブルはなく、情勢的にも消極的平和は達成されているという印象でした。留学前は親や大学の先生から相当に心配はされていましたが、私は私なりに情報をかき集めていて、外務省が出している危険度レベルもレベル1の地域が残っていて、まだ地雷が残っていて危険な場所もありましたが、山奥に入ったりしなければ基本大丈夫という感じでした。しかし、情勢的には平和でも生活や人々の間では偏見が多く残っており、私が生活していた地域でも東西でムスリムの人とクロアチアの人の生活が分断していて、完全な平和とは程遠い状況でした。私はニュートラルでどちら側にもついていませんでしたが、東西の友人を引き合わせようとしてもばらばらに分かれてしまってうまくいかず、どうすれば良いだろうとか、本当は引き合わせないほうが良いのだろうかなどと悩むこともありました。

留学中の活動について

留学そのものはインターン留学で、マリモストという組織で、毎週小学生や中学生にサッカーの指導をしていました。あとはワークショップの企画がいろいろとあったのでその運営をしたり、マリモストを支援する日本の団体との連携ややりとりを通じた広報を行ったりしていました。このアカデミーでは様々な民族の子供が集まってサッカーができる場所をつくるというコンセプトのもと運営されており、ムスリム人とクロアチア人以外にもセルビア人などさまざまな民族の子が参加していました。また、子供に教えるだけでなく自分もプレーする側になろうと思い、たまたま地元にとても強い女子チームがあって、そこのコンセプトが強いチームを作るには民族にこだわってはいられないというもので、その考えに共感してそのチームで活動していました。

一回目と比べて二回目の留学で意識していたことは?

主体的に動くというのはもちろんですが、加えて意識していたのが奨学金のことでした。ドイツへの留学のときにも給付型の奨学金を受けてはいましたが、トビタテでは奨学金が寄付で成り立っているということをすごく説明されて、寄付をもらう大変さを感じていたので、それを活かして一つでも学びを増やそうという意識がありました。他にも、一つの組織に頼りすぎないということも意識していました。一回目の留学では新しい組織には行ったらそれだけで何かした気になっていたんですが、二回目ではそうではなくて、まだまだ知らない世界がいっぱいあるよと自分に言い聞かせていました。

留学中の収支はどうなっていた?

一回目の留学では割とケチってたんですけど、二回目では必要以上に貯金するよりも現地での使い道を探して使うようにしていました。現地ではすごくコーヒーをよく奢る文化があったので、友達にどんどん奢ったりして関係を築くことに多くお金を使ってました。あとはずっと国連に行きたいと思っていたので、国連に参加するための渡航費にもお金を使いました。

留学で得た経験で今に活きていることは?

私も含め、周りの人たちが考えがちなこととして、見た目を見ただけで「この人は~人だ」とわかるような感じがあるんですが、現実は全く違っていました。見た目だけでは誰がセルビア人で誰がクロアチア人かなんて分からない、言語も日本の方言くらいの違いだから意思疎通も問題ない。だから微妙な違いを理解している現地の人は区別がついても外国人にはまず分からない。こういうことを実感したとき、表面的なことだけでその人を判断するのは本当に危険なことなのだと感じました。向こうではクロアチア人にはクロアチア人が嫌う言葉や言い回しがあったりして、知らず知らずのうちに敵を作ってしまうことがある。表面的な情報だけで判断して自分から敵を作りに行くべきでないと思い、先に相手のことを聞くことを心掛けるようになりました。

留学を思い悩んでいる方々へのメッセージ

トビタテですごく共感したのが、トビタテ元ディレクターの船橋さんの言葉で、「留学はほんとに若いうちに行け」というメッセージはすごく納得していて、本当に若ければ若いほど吸収できるものがあるし、偏見が無いうちに行くことがすごく意味があるなと思っていて、何歳からでも行けるとか何歳でも挑戦できるって思うし、それも良いと思うけど、やっぱり頭が柔らかいうちに行くことで本当の意味で自分の視野が広がり、多様性を享受できるのかなと思っています。なので迷っていたらとりあえず行ってみたらと私は思っています。

終わりに

少々長い記事になりましたが、今回はまだ終わりません。後編ではトビタテとあしながのプログラムの違いや留学までにやっておくべきことなど、さまざまなことをもっと掘り下げていきます。是非後編の記事もご覧ください。

関連ページ

文部科学省トビタテ!留学JAPAN https://tobitate.mext.go.jp/

Little Bridge JAPAN(マリモスト)https://little-bridge.net/

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