進学するときに必ず考えるのは、入学金や授業料ですよね。文部科学省の調査によると、令和元年の国立大学の授業料は年間約54万円、私立大学の場合は年間平均91万円。加えて、入学金が国立では約28万円、私立大学では平均約25万円かかります。
そこで、このような負担が軽減される、入学金免除や学費免除の大学や入試制度をご紹介します。
*今回の「入学金&学費免除」とは一円もかからずに入学から卒業までできるという意味ではなく、入学金は支払う必要があるものの、授業料が免除となったり、一定の条件をクリアすると貸与奨学金の返済が免除になるなど、広い意味を含みます。気になる制度はぜひ詳しく調べてください。
自治医科大学(栃木)|医学部が実質無料
栃木県下野市にある自治医科大学は、入学金や授業料がすべて貸し出され、医師免許取得後に指定の病院に勤務することで返済免除となる大学です。学部は医学部と看護学部があり、中でも医学部は令和2年に行われた医師国家試験の合格率100%で、9年連続全国1位の成績を収めています。また看護学部では、看護師、保健師の資格に加えて助産師の資格も得ることができます。入試の倍率も高く、合格までは簡単な道のりではありませんが、学費をかけずに医師や看護師を目指すことができます。
<設置学部>
医学部
看護学部
専修大学(東京・神奈川)|受かれば4年間授業料免除
専修大学にはスカラシップ入学試験があり、合格者には4年間の授業料・施設費が免除となります。英語、国語、選択科目(ネットワーク情報学科は数学、各100点)を受験し、3教科の合計点(300点満点)で選考され、試験科目も3教科となっており、一般的な私立文系の受験勉強と同じです。試験日が異なれば、同一学部・学科でも異なる学部・学科でも併願可能となっています。
<設置学部>
経済学部
経営学部
法学部
商学部
文学部
ネットワーク情報学部
人間科学部
国際コミュニケーション学部
神奈川大学(神奈川)|学費+アパート代も支給
神奈川大学には給費生試験があり、合格すると4年間で最大880万円の返還不要の奨学金が給付され、学費に充てることができます。ただし、入学後の支給となりますので、初年度納入金を準備することが必要です。試験は3科目型で難易度は一般入試と同じ水準のため、決して特別に難しい試験問題ではありませんが、一つの学科までしか受験できないことには注意が必要です(推薦入試などを含めて、他校との併願はできます)。
*国による高等教育の修学支援新制度(日本学生支援機構給付奨学金・授業料等減免)との併給不可
*あしなが育英会との併給はできます。
<奨学金の詳細と設置学部>
- 入学金相当額(20万円)を入学初年度に給付
- 法・経済・人間科学部:年額100万円×4年間給付
経営・外国語・国際日本学部:年額110万円×4年間給付
理・工学部:年額135万円×4年間給付
建築学部:年額145万円×4年間給付
また、神奈川大学は、自宅外通学(いわゆる下宿・一人暮らしのこと)をする者には年間70万円の生活援助金が原則4年間給付されます。アパート代にあてることができます。
共愛学園前橋国際大学(群馬)|英検スコア満たせば初年度授業料返還
共愛学園前橋国際大学では、英検CSE2100以上のスコアを持っていると、初年度授業料が全面返還となります。
<返還対象となる資格一覧>
●英検CSEスコア 2100
●GTEC 970 (オフィシャルスコア)
●TOEIC(L&R)500
●TOEFL iBT 50
●情報処理技術者試験合格者(ITパスポート試験を除く)
●日商簿記検定2級
■上記いずれかの資格を取得すると、初年度の授業料全額返還
■出願期間内に証書のコピーを提出すること
■受験後に資格を取得した場合は資格証明書と「資格特待生追加申請書」を2022年3月23日(水)午後5時までにアドミッションセンターへ提出すること
■帰国生・社会人・外国人留学生は適用外
まとめ|気になる大学に免除制度がないか問い合わせてみよう
ご紹介した以外にも、授業料や入学金の免除制度のある大学があります。みなさんの志望校に制度があるかどうか、大学入試課にメールしてみると教えてくれる場合がありますので、ぜひ窓口を頼ってみましょう。