あしなが育英会が運営する学生寮「あしなが心塾(東京)」と「虹の心塾(神戸)」では、日本全国からつどったあしなが大学奨学生や海外からの遺児留学生が共同生活を送っています。心塾にはどんな学生が暮らしているのでしょうか。今回は「虹の心塾」塾生のミナミさんに、高校生活から現在に至るまでのお話を聞きました。
自己紹介
関西圏の大学に通う4年生です。
保育士と幼稚園教諭を目指し、臨床教育学部で学んできました。
4月からは、地元福岡にある保育園での勤務が決まっています。心塾では女子寮長をしています。
親元を離れ、吹奏楽に打ち込んだ高校時代
元々音楽が好きで、中学から始めた吹奏楽を続けるため、高校は福岡の吹奏楽強豪校に入学しました。親元を離れ、寮生活が始まりました。最初は不安と緊張でいっぱいでしたが、寮の2人部屋は同じ中学出身の子と一緒にしてもらえて、安心できる空間になりました。
一方、吹奏楽部の練習は相当ハードで、上下関係も厳しく、先輩に話しかけるなんて怖くてできませんでした。今思い出しても、あんなにつらいことはありません。それでも大会出場に向けて日々練習に励んできましたが、コロナの影響で、引退前の全国大会が中止になったんです。他の大会もどんどん中止になってしまい、やり残した気持ちはありました。
進路や入塾のきっかけ
高3のときに、近所の幼稚園に演奏しに行った際、子どもたちがとてもかわいかったんです。将来ここで働けたらいいなと思ったのが、保育士を目指すきっかけでした。
また、母から「虹の心塾」について聞いていたので、行事などが楽しそうだし、いろいろな大学の学生、多様な価値観に触れたいと思い、心塾で生活したいと思っていました。それからは、吹奏楽推薦の入試制度があって、保育士資格が取得できて、心塾から通える大学を、担任の先生と一緒に探しました。
入塾してからの心の変化と成長
入塾当初は、まったく知らない子といきなり同部屋で過ごすのは正直に言うときつかったです。高校の寮と違って、起床時間とか生活リズムもみんなばらばらですし。相性も大事ですよね。1年生のときはやめたいなと思うこともありました。
2年生のとき、後輩が入塾してきて、みんな本当に良い子たちなので、素直に仲良くしたいと思いました。私はもともと「先輩」としてふるまうのは苦手。上下関係の厳しさは高校で終わりにしたかったんです。同じ境遇同士、なんでも話せる関係を心がけていました。すると、だんだん居心地が良くなって、楽しくなってきたんです。後輩の存在に救われました。
それからは、塾のさまざまな役割にどんどんチャレンジするようになりました。元々人前に立つようなタイプでなかったのですが、「何事も一人でやるわけじゃないし、みんなと助け合ったらしんどくない」って気づいたんです。そして今年度は女子寮長に挑戦しました。女子寮会議で、困っていることや気になることの共有をしたり、みんなでたこ焼きパーティーなどの交流会をしたり。会議よりも一緒にご飯を食べるほうが仲良くなれるから、そういう機会をたくさん作ろうとしました。家のような空間にしたいと思っていました。あと、毎週水曜は塾生長たちとの会議があるのですが、それも全く苦じゃないです。お風呂に入るくらい当たり前に会議でも話ができます(笑)。
塾でのいろんな経験を通して、周りや塾全体を見られるようになったし、視野が広がりました。
寮の仕組み
塾生全体をまとめる塾生長がいて、その下に男子寮長、女子寮長、委員長などがいます。南さんが担う女子寮長は、女子寮のリーダーです。女子寮内の自治運営や、塾生長や男子寮長などと協力し、自治の主導や後輩の育成を担います。
入塾を考えている高校生へのメッセージ
塾は新しい自分を見つけられる場所です。将来の夢がある人にとってはそれに向かって頑張れることができ、自分を高められるところです。新たな可能性を見つけられる場所だと思います。
