【総合型選抜入試】実はぴったりかもしれない入試方式とその対策をご紹介

お役立ち情報

はじめに

2020年もすでに秋に突入し、これを読んでいるみなさんの中には「卒業後の進路」をまさに考えている人もいるのではないでしょうか。この記事で解説するのは募集人員が年々増加し、注目が集まっている「総合型選抜入試(旧AO入試)」です。大学・専門学校問わず、さまざまな入試方式がありますが、進学にチャレンジする高校奨学生のみなさんには自分自身に一番あった入試方式を選んで、納得のいく進路を掴み取ってほしいです。

総合型選抜入試を一言で表すと○○

これまでの入試は、学力試験で合否が決められていましたが、総合型選抜入試をひとことで表すと「大学と受験生とのマッチング」を重視した入試です。受験生の「学びたい」と、大学教員の「教えたい」という想いが一致するとめでたく合格となるというシステムです。

受験生の「志望理由」と、学校側の欲しい人物像が示されている「アドミッションポリシー」がどの程度マッチしているかを、「志望理由書」や「面接」「小論文」などを通して審査されます。

そんな総合型選抜入試でまず問われるのは、志望校が育成したい人材像になる素質を、あなたが持っているかどうかです。もちろん、あなたのやりたいことを伝えることも欠かせませんが、同時に、その進学先がどんな学校なのかを深く知る必要があります。何か優秀な実績を持っていれば合格するというわけではなく、大学の目的・欲しい人材を理解することが、総合型選抜入試受験への第一歩です。

一目でわかる一般入試との違い

合格基準

学力試験のみで合否を判断される一般入試とは異なり、総合型選抜入試では、受験生の全てが判断の対象です。具体的には学力はもちろん、その受験生のひととなり、部活動での活躍や課外活動などの机上以外の学習の実績、語学力(英検)などです。

入試時期

1〜2月に一斉に行われる一般入試と比べて、学校や学部によってはで8月から出願が始まるのが総合型選抜入試の特徴です。合格発表も早く、10月に結果が判明する入試も存在します。

試験科目

英語、数学などの科目別の学力試験が必要な一般入試に対して、総合型選抜入試は「志望理由書」や「面接」「小論文」などを用いて審査します。字数制限や面接官の人数は大学・学部によってさまざまで、一度「募集要項」をチェックしてみる必要があるでしょう。

受験の特徴

大量に暗記が必要な一般入試とは異なり、「なぜ私は志望校に進学したいのか」「将来はどんなことをしたいのか」といった自分の内面と向き合うことが必要になります。同時に、自分のテーマについて、関連する書籍を読みあさったり、専門家のお話を聞いたり、実際に自分で活動をしてみたりと探究をするため、得意分野を進めていくことになります。

特待生向けの奨学金制度など

大学によっては、学費免除となる特待生合格枠も存在します。詳細は後述します。

どんな準備が必要?

【合格のために必要な3つの要素】を準備しよう

の3つが挙げられると考えています。

1:原体験

2:スキル

3:基礎学力

必ずしも3つの要素を兼ね備えている必要はありませんが、これらの総合点で評価する入試が多いです。以下に、それぞれの要素について説明していきます。

1:原体験について

原体験とは、志望理由のテーマをどのようなきっかけで抱くようになったのかという観点です。例えば、いじめの当事者経験があったり、直接いじめの現場に遭遇したことのある受験生が「学校現場でのいじめを無くしたい」と志すのは、現場に全くいじめのことを知らない受験生と比べて強い動機や使命感があると言えるでしょう。

そして、原体験が強い受験生が伝える志望理由は、説得力が段違いです。しかし、こうした説明を聞くと「自分には強い原体験なんてないのではないか」と悩む受験生も多いのではないでしょうか。でも、大丈夫です。あなたの人生の中に必ずあります。これまで生きてきた中で、「これおかしいな」「不思議だな」もしくは「不合理なんじゃないか」と思ったことはありませんか?

例えば、「なんで日本はこんなに借金が多いんだろう」「なんでいじめはなくならないんだろう」「どうして格差はなくならないんだろう」といったことや「なんで学校の授業は面白くないんだろう」といった身近なことまで、全てが原体験につながります。疑問を持つだけでなくそれを社会の問題として捉えて、それをどう解決していくかを考えていくところまで取り組むことが重要です。「学問は驚きからはじまる」という言葉があります。日常や暮らしの中から不思議に思ったことから出発して、志望理由につなげていくことができます。

2:スキルについて

スキルとは、個人が持つ特技のことです。英語力や部活動の実績などが含まれます。これらは全て「あなたが過去に取り組んできたもの」としてどの総合型選抜入試でも評価されます。特にこれらは資格を取得することや、大会で実績を出すなどが評価対象となるので、早いうちから資格試験を受験しておく等の準備をする必要があるでしょう。

例えば英語力で言うと「英検2級」、難関大を狙うのであれば「英検準1級」以上の資格を持っていると、大きな強みとなります。

3:基礎学力/評定平均について

基礎学力とは、評定平均などを含む勉学への基礎力です。多くの総合型選抜で学力試験を実施していないからこそ、評定平均を重視する大学学部は多い傾向にあります。当然、評定平均は高いに越したことはないので、学校の定期試験や提出物など、日々の努力を怠らないことが重要となります。

学費免除になる特待生合格枠も

大学によっては、学費免除となる特待生合格枠も存在します。一般入試にも同じ制度はありますが、総合型選抜入試合格者専用の特待生合格枠を用意している大学もあります。一般入試に比べて受験者数の少ない総合型選抜入試だからこそ、特待生合格をつかむチャンスも多いことでしょう。詳しくは志望校の入試制度をチェックしてみてください。

大学無償化も有効活用しよう!

2020年4月に開始された「高等教育の修学支援新制度(通称:大学無償化)」があります。今年の春よりはじまった新しい制度で、4年制大学の他、短大や専門学校、高専(4・5年生)も支援の対象になっています。センパイたちの中には、大学無償化の制度に加え、あしながやその他の奨学金制度などを上手く利用し、学費の負担がほとんど無いという学生もたくさんいます。

大学無償化については思っている以上に負担が軽い!『大学無償化』とはをチェック

国公立大学でも拡充される総合型選抜

私立大学のみならず、国公立大学では全体の9割以上の大学が推薦型の入試を実施しています。近年は、東京大学や京都大学などの難関国立大学でも推薦型の入試が導入されるなど、広がりをみせています。

おわりに

以上が「総合型選抜入試(旧AO入試)」についての解説でした!進学にチャレンジする高校奨学生のみなさんには自分にとってベストな入試方式を選んで、納得のいく進路を掴み取りましょう!このほかにも、ひとりひとり準備が異なります。よければ先輩にも頼ってみてくださいね!

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