【体験談】なりたくないと思っていた“看護”の道に進むワケ

大学生の声

高校生のみなさん、こんにちは~!
私は福田葵といいます。高校1年生からあしながの奨学生なので、皆さんのセンパイですね!


今は地元・兵庫の看護の専門学校に通う2年生です。私は高校生の時からつどいに毎回参加しているんですが、今年コロナの影響で中止になったので、こうしてあしながBASEを通じて、私の経験を後輩である皆さんに伝えて役立ててもらえたらなと思います。


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 父、余命半年

私の家、理容院なんです。美容院じゃなくて、理容院。
おばあちゃんの代から続く昔ながらのお店で、父と母が後を継いでました。自営業で大変なこともあったと思うけど、父は、いつも家族を陰で支えてくれる大きな存在でした。

1歳の自分と父。遺影として家族を見守ってくれている大事な写真

そんなお父さんが、自分が小6の時に、ガンで余命半年だと宣告されたんです。その時は「え……」と信じられなくて。

それから私たち家族の生活はがらりと変わりました。
兄も姉もちょうど大学受験があったり、私も勉強に加え、ずっと続けていたバスケの練習があったりしたんですけど、それでもほぼ毎日、家族それぞれが、時間を見つけてはお見舞いに行くようになりました。

実は、父の闘病に重なるようにして、祖母も心臓の手術のために入院することになったんですね。なので、母は、仕事しながら二つの病院に通い詰めてて。あの時、やれることは何でも精一杯やっているお母さんの姿は、傍で見ていて、本当に大変そうでした。

私も病院に通い詰めてたんですけど、その度に目にする父や祖母の、点滴とかたくさんの管に繋がれた痛々しい姿が、10代前半の自分の心に強烈に残りました。それが段々と病院への苦手意識に繋がって…。
誰かの苦しむ姿を見ることになるなら、看護師さんとか医療従事者には自分はなれないって思うようになりました。



 母の病気で見つけた自分の道

私が小学6年生の時に「余命半年」と宣告されて、それから2年後の、私が中学2年生の時に、父は逝きました。まだ、将来の夢もないし、高校をどうするか決まってもない私のことを心配していたと思います。

バスケに夢中だった私を父は応援しつつも心配していたかも

その後、無事に高校へ進学はしたんですけど、今度は、母にガンが見つかりました。それから、また、苦い思い出のある病院に通う日々がはじまりました。でも、少しずつ、自分の気持ちに変化が出てきました。

それは、高校卒業後の進路を真剣に考えるようになった時、自然と「看護師」という選択肢が自分の中に湧き上がってきたんです。

確かに、患者家族として苦しい思いをたくさんしてきたんですけど、そんな時にサポートしてくれたのが看護師さんで。優しいだけじゃなく、豊富な医療知識で祖母、父そして母を支えてくれた看護師さんたちの存在は、本当に心強かったです。そんな姿をずっと間近で見てきたからか、次第に看護師という職業を自分の将来像として考えるようになりました。



 専門学校を選んだワケ

専門学校を選んだのは、「早く自立したかった。」この一言に尽きます。

学費のことや進路先について、家族から反対されたことは一度もないんですけど…。ただ、母との日常の何気ない会話から、家計が苦しいことは分かってたので、早く自分でお金を稼ぎたいと思うようになりました。高校生の頃から色んな奨学金を利用していたので、その分、将来返済する金額も多いから、早く自活しなきゃって。

でも、高校が文系の進学クラスだったので、高校卒業後にすぐ就職するのではなく、どこかに進学してから就職しようと考えていました。なので、看護師を意識してからは、地元で、看護を学べる大学と専門学校に絞り、それから、大学より短い3年間で学べる専門学校の方に進むことを決めました。それが高校3年生の夏頃だったと思います。

とにかく「早く手に職をつけて、早く自活できるようになりたい」その一心でした。



「向いてない」と思うことも

今、専門学校の2年生になったんですけど、正直なところ、「向いてないな」と思うことばかりです。

まず、私、本当に勉強が苦手なんです。家族からも進学するって話したときに、「受験勉強、大丈夫か」って学力の心配されたくらいで…。

高校の時とは違い、今の授業では医療の専門的な勉強をしているので、余計に難しく感じて、なかなかモチベーションがあがらないです。更に、来年からは、いよいよ国家試験の勉強が本格的に始まります。こうした座学の他にも、病院や学内実習もあって、実際の患者さんを相手に学んだことを実演していくんですけど、それも大変なことばかりです。

だから、学力的にも、自分の性格的にも、看護師としててきぱきと仕事をする姿なんて想像できないんです。かつての自分を支えてくれた看護師さんたちのようにはなれない、自分には向いてないって。

でも、一度なると決めたんだから、途中で投げ出したりは絶対にしたくない!
中途半端な知識の看護師にはなりたくない!そう心に決めて、ふんばってます。

葵、白衣姿にて
実習用の白衣をきて

でも、まあ、苦手なものは苦手なので、週末に友だちと外出したり、好きな映画を見るという楽しみを自分で見つけて、休む時はしっかり休んで勉強を頑張る。そんな風にメリハリをつけながら、今なんとか勉強を頑張っています。



 これからのこと

まだ、自分の中でどんな専門分野を持つ看護師になりたいか、とか働きたい病院のイメージがついていないんですが、一つだけ言えることは、

確固たる知識を持った信頼のおける看護師になりたい

ということです。

自分の決めた道、これからどうなるか分かりませんが、将来が定まっていなかった中学2年生の自分より、少しずつ成長してきているので、亡くなった父に心配をかけないよう、自分なりに努力してこれからを歩んでいきたいと思います。



 後輩のあなたへ

私みたいに勉強が苦手な人ってたくさんいると思んですけど、「○○になりたい」とかやりたいことがあるんだったら、あとはもうとにかく勉強するしかないですよね。

色んな勉強方法を試して、自分に合うものを見つけるしかないと思います。私は勉強方法を試しているその過程もいい勉強になったので、ぜひ諦めずにトライしてみてください。

あと、今の私自身がやっていることなんですが、オンライン授業を受けている人は、その授業の教科書だけじゃなく、関連する教科書とかノートを合わせて読みながら授業を聞くと、知識がリンクして理解しやすいと思います。あとはネットで分からないところを調べながらとかだと、小さな「?」というつまづきがすぐに解消できます。


そして、挑戦する気持ちを大切にしてください。

高校生の時の私にとって、つどいこそが未知の挑戦や刺激に満ちた場所でした。大学生のお兄さん、お姉さんの存在や同年代の高校生と将来について話すことは、普段の生活では体験できない時間で、本当に刺激的な経験でした。

皆さんは今、何かに挑戦していますか。

進路を考える時に、自分のこれまでの経験値だけで考えるのではなく、ぜひ、周囲に相談したり、興味のあることにトライしたりと、刺激を自ら積極的に受けつつ、自分の未来を決めていってほしいと思います。


今の私にとっての挑戦は、看護師になるということ。


叶えてみせます。



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