#3 可能性は無限大!「やりたいことないけど、進学します」で良い理由【体験談】

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前回に引き続き、大学に在籍しながらも、1年間の休学を決意し、NPO法人カタリバでインターンシップの経験を積んだ大奨生の水橋誉さんにインタビューをしています。#2 可能性は無限大!「やりたいことないけど、進学します」で良い理由【体験談】では、何もしないと決意した大学入学から、つどいに参加してその気持ちが大きく変わり、あしなが学生募金事務局での活躍まで伺いました。今回は1年間のインターンシップを振り返って、なぜ高校生が「やりたいことがなくても進学します」で良いのかについて、そして、水橋さんの今後について伺います!

生徒の成長に伴走してきたカタリバでのインターン

カタリバでのインターンでどのような成果を得ましたか?

「未来創造探究」の授業を通して、生徒の大きな成長に伴走させてもらう経験ができたんです。たとえば、地域のスポーツイベントを生徒が主体となって開催してもらったのですが、いきなりイベントを開催するのではなく、そこに至るまでまずはイベントとはどういうものかを見学してもらったり、実際に参加してもらったりと段階を踏んで、少しずつ実現に近づいていってもらったんです。その中で、当初はあまり関心がなさそうだった子が次第に活動に熱心になっていく様子をみて、とてもやりがいを感じました。振り返ってみると、新学期に着任したときにその生徒は2年生で、「とにかく楽しいことをしたいです。この街つまらないですよ!ラウンドワン作りたいです」と言っていたのを思い出したんです。それが約1年後には、活動の最終報告の場で、自分にとって一番の変化は何であったかという問いに対して、「何気なく自分が見つけた課題に対して行動を起こしてみたら、多くのひとが動いてくれました。そういう気づきを得たことが、この授業を通して一番変わったことです」と総括している姿に出会いました。「普通」の高校生だったのに、僕が関わった未来創造探求の授業を通してここまで社会や地域に対する関心が芽生えて、気づきを言語化する能力に驚きましたし、1年間生徒に向き合ってきて本当によかったと思いました。正直、うれしくてめちゃめちゃ泣きそうになりました。

あしながとカタリバでの経験が大学院進学につながった

水橋さんは大学4年生ですよね、これからはどのような進路を歩んでいくんですか?

カタリバでのインターンが終わるときに、次にどうするかは決まっていませんでしたし、正直に言って次の選択を決められないでいました。ただ、この1年で新しい視点でものごとをみることができたのは確かなことでした。そして、いままではあしながでもカタリバでも、とことん現場で実践してきたことも確かなことでした。そのときに、いままでの自分と違うこともやりたいなと思うようになってきたんです。いままでは目の前の現場を見続けてきたけど、もっと長いスパンで教育に向き合ってみたいと思ったし、研究とは今まで無縁だったからこそ、実践経験以外でも教育や高校生について考えることができるなと思い、大学院で研究したいと思うようになりました。4月からは東京の大学院に進学します。

「やりたいことないけど、進学します」で良い理由


最後に、高奨生にメッセージをお願いできますか?

一番高校生に言っていてほしい言葉があります。それは「やりたいことないけど、進学します」です。なぜならば、高校生と向き合ってきた中で、そういう子こそ、大きな変化と成長を遂げてきたからなんです。やりたいことがないというのは、将来への強すぎるイメージがない分、どんなことでも起こせて、どんなことでもできるぞっていう状態だと思います。やりたいことがないってことはいま目の前に無数の選択肢が確実にあるわけです。さらに、高校生のいまだからこそ、大人に比べてやれる幅も広いはずです。ただ、その無数の選択肢の中から選べるようになるには、きっかけとなる刺激を受ける必要があります。つどいなど、学校の外での学びの機会を見つけてみてください。自分自身を可能性の塊だと思って外の環境に飛び込んでみてください。

最後の最後に、ちなみにやりたいことがある高奨生にもメッセージをいただけますか?

そうですね、そういう子には「あなたのやりたいことを本当に理解していますか?」と問いたいです。僕も高校生の時は教員を目指していましたが、「先生は何している仕事ですか?」と聞かれたときに当時私が答えられていたことは、先生という仕事のたった一部だったなと、振り返っています。例えば福祉に興味のある高校生だったら、福祉の中でも、さらに何に興味を持っているのかについて探求をするべきだと思います。実はアートや芸術で福祉に関わる方法があったりするんですが、1つの分野の中で手法は無数に広がっていて、それを知ることで新しい職業やポジションに出会えるかもしれません。知ろうとする努力を怠らないことがなによりも大切なことなのです。

ありがとうございました。ここまで、全3回にわたって水橋誉さんの課外活動について伺ってきました。やりたいことがあってもなくても探求する姿勢を貫きつづければ、未来が見えてくることが水橋さんのインタビューから、そして行動の姿勢からも学べるでしょう。進学したら課外活動をするのはもちろん、高校生のいまのうちからも地域や社会に対して活動し探求することができます。ぜひ高奨生のみなさんもこの機会を逃すことなく、進学やキャリアを考える一歩にしてください。

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