心塾の生活スタイルを心塾生に直接聞いてみた【体験談】

大学生の声

こんにちは!今日はあしなが育英会が運営している学生寮についてご紹介します。

「心塾」と呼ばれる学生寮は東京都(日野市)と兵庫県(神戸市)にあり、多くのあしなが育英会大学奨学金を受給している大学生が暮らしています。日本人のみならず、留学生も暮らしていて、さまざまな行事やカリキュラムもあるんだとか!今回は神戸にある「虹の心塾」に住んでいるまみこさんにお話を伺ってみました!

虹の心塾(神戸)とは??

親を失くしたり、親が障がいで働くことができない家庭の学生たちは奨学金で高校は進学できても、首都圏や関西圏の大学や短大に一人暮らしで進学することは経済的に困難です。あしなが育英会では、たとえ生活保護世帯の子でも都市部の大学や短大に進学できるように、寮費月1万円で2食付の学生寮「虹の心塾(神戸・1999年~)」と「あしなが心塾(東京・2006年~)」を運営しています。心塾では、「礼儀・挨拶」を重んじ、集団生活や独自のカリキュラムなどを通じて、「暖かい心」「広い視野」「行動力」「国際性」の4つの普遍的な主要能力を身につけさせ、世のため人のために働く人づくりを目標としています。現在、東京と神戸あわせて100人以上の心塾生が、切磋琢磨の日々を送っています。 <あしなが育英会ホームページより>

あしなが育英会
あしなが育英会は、遺児への奨学金の貸し出しによる経済的な援助や「レインボーハウス」での活動、短期ケアプログラムの「つどい」などの「心のケア」をしています。その運営は、個人の方々のご寄付を中心にしています。事業内容と収支報告をご支援者に公開しています。

自己紹介

野村まみ子さん

保育園、幼稚園、小学校の免許を取るために児童教育学部で勉強している大学3年生。

神戸市にある虹の心塾には1年生のころから入塾。

入塾面談では〇〇に気をつけて!心塾に入寮するまで

――まずは、まみこさんが神戸心塾に入ろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

まみこさん:母にすすめてもらったからです。はじめて心塾について知ったのは高校3年生のときでした。あしなが育英会の奨学金の採用試験に足を運んだときに職員の方に紹介していただき、知ったんです。でも実は実家が大学と同じ大阪府内ということもあり、そのときは全く住む気がなかったんですが、母に心塾のことを話すと「え?行ってみたら??」と軽くおすすめされたのが入寮のきっかけです。たしかに、よくみてみると国際学生寮であったり、行事やカリキュラムが充実しているので、これは楽しそうだと思い、入塾願書を出してみることにしました。

<あしなが育英会ホームページより>

――なるほど。お母さんのおすすめがなければ住んでいなかったんですね!その後の面談ではどのようなことを聞かれましたか?

なぜ入寮したいかを聞かれましたね!素直に「お母さんから薦められたからです」って答えました。あとはなにを言ったかな〜。面談がすごく怖かったので、あんまり覚えていないんです。

――え、怖かったんですか?どうしてですか?

実は、面談の日に遅刻してしまったんです。集合時刻の45分前には最寄り駅に着いていたんですが、そこから道に迷ってしまいました。自分がどこにいるのかもわからないくらいパニックになっていました。結局、15分遅れで心塾に到着して「落とされてしまうのでは」と不安が押し寄せてきました。ついには面談を受けるころには号泣していました。そんなこともありましたが、結果的に入塾はできました。なので、心塾への入寮を考えているみなさんは、①入塾のきっかけと動機②住んでからどんなことをしたいのかを考えてきた上で、時間に余裕を持って、心塾までの行き方を入念にチェックしてから受験してください!

※2021年度の面談はオンラインで実施されることになりました。が、なにごとも時間には要注意

日本にいながら異文化に触れる!心塾での暮らしのようす

――入塾してからの生活はどうでしたか?

大学1,2年生は入塾すると4人部屋に入ります。そこでは、日本人2人とアフリカからの留学生が2人でした。このときまで、アフリカの方と出会うことがほとんどなかったので、それにまずびっくりしたのを覚えています。3年生から1人部屋になるまでの約2年間、共同生活でした。はじめのうちは文化の違いに戸惑うことも多かったんです。友人や家族に毎晩電話していて、「もう寝たいのに…」なんて思う夜もありました。ですが、だんだんとお互いが打ち解けていって「イヤホンして」や「もう寝たいから(部屋の)外で電話できる?」と気兼ねなく頼めるようになってきて、お互いが我慢することなく暮らせるようになってきました。異文化の壁を乗り越える経験ができたのは貴重な体験だったなといまでは振り返っています。

――そういう貴重な経験がきっと将来の役に立ちますよね。ところで、心塾で開催されるカリキュラムについて教えていただけますか?

詳細はパンフレットに書いてある通りなのですが、せっかくなのでそこに書いてないことをあげるなら、まず1年生のときにビブリオバトルがあります。ビブリオバトルとは本を決められた時間内で紹介しあって、もっとも読みたくなった本を投票して決定するスポーツのような書評会のことです。それから、「講座」という外部の方をお招きして講演会を開いたりします。そして、2年生になると「ボランティア活動80時間」という課題が出されます。夏休みごろから初めていって、年度末までに合計活動時間を80以上にすると言うものです。あらかじめ決められたボランティアをこなすのではなく、自らがやりたいと思うのを探してきて申し込むんです。私は子どもと関わることがボランティアを申し込みました。小学生と遠足へいったり、キャンプのお手伝いをしていました。ほかにも、同級生のなかには在日外国人の子どもたちの日本語教育を支援する活動に携わったり、サッカークラブで子どもたちに指導したり、思い思いの活動をして、「ボランティア活動80時間」を達成していきます。

※カリキュラムは年によって内容が変更となることがあります

――なるほど!主体的・対話的な学びの場が多く設定されているんですね!あと、英語の講座もあるときいたんですが、、、

そうですね、外国人の先生を招いた英会話講座があります。以前は日本人の先生によるTOEIC対策講座だったんですが、より実践的なものになっていて羨ましいです。私が受けたのはTOEIC対策講座でしたが、点数アップにもつながり成果が出てよかったです。

心塾で成長できた私と、入塾を考える高奨生へのメッセージ

――心塾はどんな高奨生に向いていますか?

向き不向きはないと思います。どんなひとでも「環境を変えてみたい」と思う高奨生は、心塾を活かすことで大きく変われると思います。私自身も、以前は人前に出るのはあまり好きではなく、隅っこのほうでいつもショボーンとしているタイプでした。でも、ここにきてから国籍も文化も違う多様な仲間たちと出会うことができて社交性が高まりましたし、ひとまえで話したりリーダーシップをとる経験もできました。(入塾してどうなるかは)自分次第です!

――まみこさん自身もこの環境を活かしたからこそ得られたものがあるのですね。最後に、これから入塾する高奨生にメッセージをお願いします!

見栄を張ったりせずありのままで暮らすのが一番です。入塾したら早いうちに信頼できる仲間をつくって、いつでも相談できるようにしてみると良いかもしれません。入塾後にはウェルカムパーティーなど、先輩が用意してくれるさまざまなチャンスがあるので、そういった機会を活かして素敵な4年間を過ごしてください。

まみこさん、素敵なお話をどうもありがとうございました。面談のときのエピソードから心塾での暮らしぶりまで濃いお話ばかりでした。残り1年とちょっとの心塾での暮らしを存分に楽しんでくださいね!

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